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急に涙が出る

「急に涙が出る」という経験は、誰にでも起こりうる身近な症状です。感動的な映画を見た時、悲しい出来事に直面した時など、感情が大きく動いた時に涙が出るのは自然な生理現象です。しかし、特に理由がないのに、あるいは些細なことで急に涙が出てくる場合、それは身体や心のSOSかもしれません。当院では、そのような症状の背景にある原因を丁寧に探り、患者さん一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。もしかしたら、それはストレスや疲労といった心の問題かもしれませんし、ドライアイや涙道閉塞といった目の病気が隠れている可能性もあります。また、自律神経の乱れが影響していることも考えられます。原因を特定し、適切な対処をすることで、症状の改善、ひいては生活の質の向上に繋がると考えています。

急に涙が出る原因

急に涙が出る原因は多岐にわたります。主な原因として、以下のものが考えられます。

  • 感情的な要因・・強い悲しみ、感動、ストレスなど、感情の起伏が激しい時に涙が出ることがあります。これは、感情をコントロールする脳の部位が刺激され、涙腺を刺激するためです。特に、抑えていた感情が解放される時に、涙が出やすくなることがあります。
  • 目の乾燥(ドライアイ)・・ドライアイというと、目が乾くイメージがありますが、実は涙が止まらなくなることもあります。目が乾燥することで角膜が刺激され、反射的に涙が分泌されるためです。しかし、その涙は質が悪く、すぐに蒸発してしまうため、根本的な解決にはなりません。
  • 目の炎症・・結膜炎や角膜炎などの目の炎症も、涙の原因となります。炎症によって目が刺激され、涙腺が刺激されるためです。また、異物が入った場合も、涙によって洗い流そうとするため、涙が出やすくなります。
  • アレルギー性結膜炎・・花粉やハウスダストなどのアレルゲンによって引き起こされるアレルギー性結膜炎も、涙、かゆみ、充血などの症状を引き起こします。アレルゲンが目に触れることで炎症が起こり、涙が分泌されます。
  • 涙道閉塞・・涙は、涙腺で作られた後、目の表面を潤し、涙点という小さな穴から鼻涙管を通って鼻に排出されます。この涙の通り道が詰まってしまうと、涙が目の表面に溜まり、涙があふれ出てしまいます。涙道閉塞の原因としては、炎症、外傷、腫瘍などが考えられます。
  • 自律神経の乱れ・・自律神経は、体の様々な機能をコントロールする神経です。ストレスや疲労、睡眠不足などが原因で自律神経が乱れると、涙腺の働きが異常になり、涙が出やすくなることがあります。
  • 脳の病気・・まれに、脳腫瘍や脳卒中などの脳の病気が原因で、涙が出ることがあります。脳の特定の部位が損傷されることで、涙をコントロールする神経が刺激されるためです。この場合は、他の神経症状を伴うことが多いです。
  • 薬の副作用・・特定の薬の副作用として、涙が出やすくなることがあります。特に、抗うつ薬や降圧剤などが原因となることがあります。薬を服用後に涙が出やすくなった場合は、医師または薬剤師に相談してください。

急に涙によって引き起こされる病気

急に涙が出る症状は、以下のような病気によって引き起こされる可能性があります。

  • 涙道閉塞・・涙は、涙腺で作られた後、目の表面を潤し、涙点という小さな穴から鼻涙管を通って鼻に排出されます。この涙の通り道が詰まってしまうと、涙が目の表面に溜まり、涙があふれ出てしまいます。涙道閉塞の原因としては、炎症、外傷、腫瘍などが考えられます。
  • ドライアイ(乾燥性角結膜炎)・・涙の量や質が低下し、目の表面が乾燥する病気です。目が乾燥することで角膜が刺激され、反射的に涙が出ることがあります。
  • 結膜炎・・結膜(白目の部分)に炎症が起こる病気です。細菌やウイルス、アレルギーなどが原因で起こります。炎症によって目が刺激され、涙が出やすくなります。
  • 角膜炎・・角膜(黒目の部分)に炎症が起こる病気です。細菌やウイルス、外傷などが原因で起こります。炎症によって目が刺激され、涙が出やすくなります。
  • 三叉神経痛・・顔面を支配する三叉神経に異常が起こると、激しい痛みを伴うことがあります。この痛みが目の周りに及ぶと、反射的に涙が出ることがあります。三叉神経痛の原因は様々ですが、血管が神経を圧迫している場合や、ウイルス感染などが考えられています。
  • ベル麻痺・・顔面神経麻痺の一種であるベル麻痺は、顔の筋肉が麻痺する病気です。まぶたを閉じることができなくなるため、目が乾燥しやすくなり、反射的に涙が出ることがあります。ベル麻痺の原因は不明ですが、ウイルス感染や自己免疫疾患などが関与していると考えられています。
  • シェーグレン症候群・・涙腺や唾液腺などの外分泌腺が慢性的に炎症を起こす自己免疫疾患です。涙や唾液の分泌が低下するため、ドライアイやドライマウスなどの症状が現れます。ドライアイによって角膜が刺激され、反射的に涙が出ることがあります。
  • 脳腫瘍・・まれに、脳腫瘍が視神経や脳幹を圧迫することで、涙が出やすくなることがあります。この場合は、頭痛や吐き気、視力障害などの他の神経症状を伴うことが多いです。

急に涙の処置や治療法

急に涙が出る症状に対する処置や治療法は、原因によって異なります。以下に、主な原因に対する治療法を説明します。

  • 感情的な要因・・感情的な要因が原因の場合は、ストレスを解消したり、リラックスできる時間を作ったりすることが大切です。カウンセリングや心理療法も有効な場合があります。また、涙を無理に止めようとせず、感情を解放することも重要です。
  • ドライアイ・・ドライアイが原因の場合は、人工涙液を点眼したり、加湿器を使用したりして、目の乾燥を防ぐことが大切です。また、長時間モニターを見続ける作業を避けたり、意識的にまばたきをしたりすることも効果的です。重症の場合は、涙点プラグを挿入する手術や、自己血清点眼などの治療法もあります。
  • 目の炎症・・結膜炎や角膜炎などの炎症が原因の場合は、抗炎症薬や抗菌薬の点眼薬を使用します。アレルギー性結膜炎の場合は、抗アレルギー薬の点眼薬を使用します。また、目を清潔に保ち、刺激物を避けることも重要です。
  • 涙道閉塞・・涙道閉塞の場合は、涙道を洗浄したり、手術によって涙の通り道を広げたりする治療が必要です。軽度の場合は、涙道マッサージや加温によって改善することもあります。
  • 自律神経の乱れ・・自律神経の乱れが原因の場合は、生活習慣の見直しや、ストレスを解消することが大切です。十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけましょう。また、軽い運動やストレッチなども効果的です。必要に応じて、自律神経調整薬を服用することもあります。
  • 脳の病気、薬の副作用・・脳の病気や薬の副作用が原因の場合は、それぞれの原因に対する治療を行います。脳の病気の場合は、手術や放射線治療、薬物療法などが必要となる場合があります。薬の副作用の場合は、薬の種類を変更したり、量を調整したりすることで改善することがあります。

急に涙についてのよくある質問

Q1. 涙が止まらないのですが、病院に行くべきですか?

A1. 涙が止まらない原因が分からない場合や、日常生活に支障をきたす場合は、眼科、神経内科、心療内科を受診することをおすすめします。特に、目の痛み、充血、視力低下などの症状を伴う場合や、頭痛、めまい、しびれなどの神経症状を伴う場合は、早めに受診してください。

Q2. ドライアイで涙が止まらなくなるのはなぜですか?

A2. ドライアイで目が乾燥すると、角膜が刺激され、反射的に涙が分泌されます。しかし、その涙は質が悪く、すぐに蒸発してしまうため、根本的な解決にはなりません。ドライアイの治療を受けることで、涙の質を改善し、涙が止まらなくなる症状を改善することができます。

Q3. 子供が急に涙を流すのですが、大丈夫でしょうか?

A3. 子供は感情表現が豊かであるため、大人よりも涙を流しやすい傾向があります。しかし、特に理由がないのに頻繁に涙を流す場合や、他の症状を伴う場合は、小児科または眼科を受診することをおすすめします。アレルギー性結膜炎や、目に異物が入っている場合などが考えられます。

院長より

当院では、「急に涙が出る」という症状に対して、患者さんの話を丁寧に伺い、様々な検査を通じて原因を特定することを重視しています。目の病気だけでなく、心の問題や自律神経の乱れ、脳の病気など、様々な可能性を考慮し、総合的な視点から診療を行います。MRIなどの充実した設備に加え、神経内科、心療内科、精神科の専門医が連携することで、より正確な診断と、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を提供することが可能です。

涙は、私たちの感情を表現する大切な手段であると同時に、目の健康を守る役割も担っています。「急に涙が出る」という症状は、身体からのメッセージかもしれません。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。私たちは、患者さんの不安な気持ちに寄り添い、最適な治療を提供できるよう努めてまいります。どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご来院ください。

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